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口頭試験(総監)03

  • 2006/11/21(火) 12:14:43

技術士口頭試験(総合技術監理部門)の続きです。
今日は、次の2問についてです。

Q3:論文において落石の確率に言及されていますが、本当に落石の確率予測は可能ですか?現実に合致しますか?

Q4:落石には地形地質的な要因に支配されることで発生しやすいパターンがありますね。これを利用して、広い目でみて落石危険箇所を抽出できるようにしてはどうですか?




Q3:論文において落石の確率に言及されていますが、本当に落石の確率予測は可能ですか?現実に合致しますか?

・・・えー、落石のリスクを評価する以上は、その発生確率を避けて通ることはできません。ですが、現段階では斜面上の岩塊が、「○月○日までに落ちる可能性は△△パーセント」なんて予測するのは不可能です。天気予報ですら難しいのに、そんなの分かるわけないです。
試験官も、そうと知ってて、あえて意地悪な質問をしているわけです。
落石発生確率予測が困難であることを、簡潔に、そして言い訳がましくならないように、答えます。そしてその難しさを、自分の工夫でどのように克服したかを述べれば、逆に加点のチャンスです。

【私の解答】
結論から言いますと・・・。落石の発生確率を何パーセントであるかまで予測するのは、不可能です。
(ここ大事!です。話が長くなるときは、結論を先に宣言します。話すほうも聞くほうも楽です。)
理由は、落石の発生には、多様な自然条件が関与しておりまして、しかもそれが日々刻々と変化しているからです。ですから、今回は発生確率に代用するためのより実用的なパラメーターとして、「目視による落石安定度評価値」を用いました。
この値は定量的でなく定性評価ではありますが、簡便で実用性は十分にあります。また現場条件は時間の経過とともに変化することを前提として、定期的な点検、あるいは豪雨時,地震時の緊急点検体制をとっています。このため、机上の解析のみによる確率計算よりも現場の実情にマッチしていると信じています。

Q4:落石には地形地質的な要因に支配されることで発生しやすいパターンがありますね。これを利用して、広い目でみて落石危険箇所を抽出できるようにしてはどうですか?

…この質問は、質問というよりはむしろ、試験官の個人的意見のようなニュアンスでした。要は、地すべりや土石流危険地域を空中写真などや大縮尺の地形図から抽出する手法を落石にも適用すればよいという意見ですね。私見ですが、落石は非常にピンポイントで前触れ無く発生する土砂移動の一形態であって、どちらかというと広域地図などからの危険箇所抽出は向いていないと考えています。やっぱり実際に現場を足と肉眼で調査しないと、不安定な石一つ一つの評価なんて出来っこないと思うんです。
「ああ、この人は落石対策についてはあまり専門分野ではなさそうだ。」そう思いました。
でも、このことについて、ここであれこれ議論するのは得策じゃないと瞬時に判断しました。

【私の解答】
ええ、土砂災害危険地域を広域地図や空中写真から抽出し、ハザードマップ化する取り組みなどがありますから、この手法は落石にも有効だと思います。もちろん落石危険度評価は、最終的には現場での直接的調査が最重要ですが、近年はGIS技術の発展も目覚しいですから、広域な地形地質情報に基づくリモートセンシング的手法を活用すれば、より効率的になると思います。

(、、、とかなんとか答えました。現場踏査の重要性はゆずらないものの、試験官の意見にも賛同しつつ、ハザードマップ、GISの知識などをさりげなく臭わせつつ対処しました。相手は一応納得しているみたいでした。)

このように、試験するはずの試験官さんが、質問ではなく、私達に教え諭すような言葉を投げかけることがしばしばあります。
これはとても好感触なことであって、そうした意見にはこちらも好意的に受け取るほうが良いでしょう。持論を貫いて口論に持ち込むのだけは避けましょう。
(つづく)

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